台湾の茶芸館が提供しているもの
朝10:00
茶芸館としてすでに名の知れた、『紫藤盧(Wistaria tea house』へ。
MRT大安駅からは、距離的には近い場所。
でも最寄りのMRTからは15分程歩くようなので、ここはタクシーを利用します。
タクシーでMRT大安から10〜15分くらいだったかな。
着くのがちょっと早く、お店は開店前。
一番乗りでした。
奥の座敷へとおされると、おちついた空間がありました。
メニューやお茶セットを持って来てくれるタイミングも
茶芸館ならではのスピードでゆったりとしている。
ぼくの気持ちのスピードとお店のスピードの差。
なんだこれ。
そしてようやくぼくは、
ここに来た目的を思い出すんです。
・・・・・そうだった。
ゆるやかな時間を過ごしに来たんです。
それを思い出しました。
あやうく忘れるところ。
大都市・台北の懐の中に入って、日常的な「時間」と距離を置き
「じぶんの時間」とともに過ごせる時間
川の流れから、いったん外側ににはずれるような。
そんなことをお店の空間と空気感、お店のスピードで
「はっ」と感じることとなりました。
ここへ来るまでに、少しせかせかをしていたんですが、
せっかく茶芸館にきて、お茶をいただくので、
ここはすべて置いておいて、
しばしのんびりとすることに決めました。
壁には掛け軸が。
『素心』とあります。
中国語の辞書を開いてみると、
「純朴な心、本心」などという言葉が書いてあります。
テクノロジーの発展で、世界がスピードアップすることには
とても賛成です。
ワクワクします。
と同時に、こういう茶芸館のような空間の価値も
年々愛おしくなるんですよね。
ぼくは今、貴重な時間を過ごせているんだなと。
感謝しつつ、お茶。
そして、ふーっと一息。
あけた窓から、新鮮で心地よい風が入ります。
そして、お茶をすする。
ありがたいです。
ぼくが今回選んだ茶葉は、
「梨山初暁」という高山ウーロン茶。
「デモンストレーション必要ですか?」
「はい、ぜひおねがいします。」
と、お茶の入れ方について、
一通り説明を受けました。
お茶うけには、
台湾の定番「パイナップルケーキ」をお願いしました。
お店のオリジナルで、3種類の味が楽しめます。
包種茶、紅茶を混ぜこんでいるとのこと。
あっ、ハート形のパイナップルケーキなんですね。
お店の計画的な仕掛けなのか、
それとも偶然なのか。
今回は「こころ」が目に留まります。
ぼくが入店してしばらくすると、
台湾女性の尼さんが、となりの席へ。
そしてしばらくして、長髪の台湾女性がその同じテーブルへ。
どうやら久しぶりの再会を喜んでいるようでした。
ぼくはこのお茶を何杯か楽しみました。
とても良い香り。「梨山初暁」は好きな香りです。
しばし、目の前のお茶を味わう。
意識は、いまここに。
台湾茶芸館の空間が提供しているのは
高品質な茶葉や丁寧なサービス。
そしてそれはもちろんのこと、
日常的な流れから、じぶんをいったん切り離す機会を提供してくれています。
その先にじわりと湧いてくる『なんだかありがたい気持ち』
台湾の茶芸館。
数人でお茶を楽しむのもは、もちろんいいですね。
お一人で台湾を旅している方も、
台湾の茶芸館に
ぜひよってみましょうよ。
しかも開店一番に。